枝折

 

夢路で頰を赤らめた太陽が眠る頃、私は文机の上で目と耳を洗った。もし草地に菌環があるのなら、その菌環に針を落とし、季節の和音が刻まれた落ち葉の上で、私と踊りましょう。

 

リラの職人

 

前回の人生では「違い」を祝福する術を学ぶことが出来た。

自ら設けた題名をくぐり、ほんの少し間隔を空けて音を鳴らした。日々の中に、出来事の中に、隠された無条件の愛を見つけたなら、自分自身の歩調を思い出せるだろう。今日、私は初めての日を呼吸する。

 

空に息づく影

 

私たちは広大な空に配列された夢の輪郭をなぞり、神殿を建築しました。幻想と地上とを結ぶ最古の詩は、歌い手を求め彷徨している。「忘却」と「想起」が互いに惹かれ合い、地上の法則に従って「私」という形姿が顕れました。私は変りゆく景色を運命とし、風の声音に包まれるあなたを眺めます。

 

コバルトの夢

 

王は平和を象徴したコインを空に向けて投げた。仮初めの幸福が不和を奏で、自分と世界とを断絶させているとは知らずに。神話に隠された真実は声を失い、静かに横たわっている。隠遁者はコインを食った。そして、我々を海と空からなる真珠であると説いた。

 

小さな村から

 

子供たちと池の中で雨水について話し合った。そこに天井はなかった。地上では、自分たちが飲んでいるものがコカコーラなのかペプシコーラなのかで議論している。それも算術の方程式を用いて。曖昧なのは好みではないらしい。異なる真実が私たちを取り巻いていると知っていれば、喜びの文化を築く為に平和と戦わなくてもいい。